ミックス上達への道(序章)

こんにちは、Sonic Bird Masteringです。


もしかしてあなたはこのブログを読むのは初めてという方かもしれませんね。以前もブログは書いていましたが、随分と時期が空いてしまいました。


さて久しぶりのブログで「ミックス上達への道」…なんてかなり大げさなタイトルがついていますが、ミックスってどうやったら上手になれるんだろうと思っている方もいるかと思います。そんな方に向けてこのブログを書いてみようと思ったきっかけはこんなことからでした。


Lewittミックスコンテスト


先日Lewittというマイクメーカーが、ロンドンのエアースタジオで全て自社のマイクでを使い録音したマルチトラック音源を使ってのミックスコンテストを開催していることを知り、本職はレコーディングエンジニアな自分は、Lewitt社のマイクの音の素性を知ることが出来ることもあり面白いのでやってみました。


(こういった新興メーカーのマイクは、ある面だけでもいいのでいわゆる定番マイクを超えるような良さが無いと、メジャーなレコーディングスタジオには導入されるには至らないことが多いので、自分でデモ機を借りるなどしてテストしない限り自ずと接する機会も少ないこともあります。)


さて実際にコンテスト音源のミックスをやってみて感じたのは、Lewitt社はもともとAKGにいた人が独立して作ったメーカーということもあり、なんとなく音色の傾向も似ているな…ということ。ミッドレンジの押し出しは例えばノイマンのようには強くない、特にラージダイアフラムのマイクはAKGにも通づるフラットからややミッドレンジが薄め傾向のサウンドの印象でした。


実際にミックスしてみて


このコンテスト、自分はオフィシャルのリファレンス音源は全く聞かずにミックスを仕上げてコンテストに送信&SoundCloudにアップロードしました。結果は以下のような感じです。



自分は仕事としてライブミックスも定期的にやるということもあり、ライブミックスする上での様々な問題(主に各マイクへの他の楽器音の回り込みの量の多さ、特にシンバル系など強音楽器の回り込み、全て同じ空間で演奏されることによる低音の回り込み、ライブ収録ならではの当日は気づかない音源に関する様々なトラブルなど)も比較的熟知しているため、音源自体はそんなに難しい印象はないのですが、多分これらを経験したことのない人には上記のような難しいと感じるポイントがいくつか該当したと思います。


その後オフィシャルで公開されている映像音源を聴いてみると基本は想像どおり。オフシャルはサンプルトラックがちょっと薄くて生楽器が中心なバランスどりな印象でした。これはどうもしても当日演奏している生楽器に意識がいってしまうがゆえのよくあることです。とはいえ、当日現場でモニターしていた音はほぼこれだと思われますので、これがひとつのリファレンスとなります。


(現場でモニターされていたサウンドがひとつのリファレンスになる理由はいずれ後述しようと思います…)


ミックスの上手下手って何?


さらにその後、他の参加者さんのトラックを聴いてみようと思いハッシュタグを拾ってアップロードされている音源を聴いてみることに。作品には皆さんの個性などが現れていますが、ミックスの上手さ、不慣れ感が極端にわかる音源も見受けた印象です。例えばアンサンブル的にバランスが悪い音源とか、ドラムばかりに力量が注がれている音源とか…


ではここで「ミックスの上手下手って何をもって感じるのだろう?」ということを考えてみます。ミックスの印象についてはそれぞれ聞く方の主観であると思いますので様々な要素がありますが、それら全てに共通したミックスの一番重要なポイントは、その楽曲の音楽性を正しく表現できているかということだと思います。そしてそのために必要な工程を正しく行えば…基本的なミックスは正しく完成します。その上で楽曲をさらに輝かせるために有用なエッセンスを加えると、以前よりもさらにより良いミックスとなる…といった感じでしょうか。それがミックスの個性になるかもしれません。


他の人の音源のミックスは難しいな…


エンジニアの楽曲に対する解釈が正しいときは、正しいテクニックを駆使すれば自ずとミックスは正しい方向に向かうでしょう。しかしミックスするエンジニアの間違った個人的な思い入れが入った時は、テクニック自体は正しくても楽曲は間違った方向に導びかれてしまうことがあります。


例えば自分でトラック制作やアレンジをする人は、他の人の音源のミックスは難しいな…と感じることもあるかと思います。原因としてそのトラックのクオリティーが悪いこともあるかもしれませんが、そうではなくそのトラックに潜む正しい音楽の方向性をうまく引き出せていないときにそういう風に感じることもあると思います。


スキルを得るには


このようなことを正しくジャッジできるようになるにはある程度の経験は必要になると思いますが、そのスキルを得るにはとにかく数をこなすことが重要です。とにかくチャレンジ、そしてその結果を客観的に判断する方法を得ることです。


次回のブログではそのための具体的な方法を考えてみたいと思います…