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ミックス上達への道(序章2・練習あるのみ)



前回はミックスの上手下手ってなんだろうということを考えました。


それでは


ミックスが上手になるために何をするといいのか?

何をすると上手くなる近道になるのか?


ですが…


練習あるのみ


一番の近道は上手な人のやり方を学ぶことです。とはいっても「上手なミックス」って実際には例えば学校に入ったからといってすぐに得られるものではないですよね。それは他の音楽学校や美術学校などでも同じだと思います。他の作品に学び、そしてひたすら練習あるのみなのです。


今回のLewittのミックスコンテストでも、素材がライブ素材ということでライブミックス経験のない人には音の被りが盛大にあるという点においてかなり難しい素材だったと思います。


ライブ収録では同じ空間で複数の楽器の音が鳴ったり、モニター返しのスピーカーの音、PAの音が鳴るので、マイクにはどうしても収録したい目的の音以外の音も入ってきます。この目的の音以外の音のことを「被り」といいます。

でもライブミックス経験者だとライブミックスのコツがわかっているので、未経験者ほどは難しくないと思います。基本的に考慮しなければならない点を知っており、その上で出来うる手段は経験で既に得てありそれが自分の引き出しとなっているので、どのアプローチをすればいいかをイメージし即座に試すところからスタートできます。またもし未体験のことが出てきても、今までの経験の応用でなんとかなるかも?という想像力も働きます。そうなるには数をこなしてスキルを得なければなりません。


上記のライブミックスの話はミックススキルの中のひとつですが、ではミックスはどうやって学び練習すればいいのでしょうか…ここではその人のスキルによって2つの別のケースを考えます。


まずはトラック制作やアレンジができる人向けのケースです。


曲をコピーする


人のやり方を学ぶ上で、自力でそのテクニックを解析し自分の手の内にすることは非常に為になります。そのためにはコピーバンドをやるのと同じように、人の作品をコピーする(真似る)のがベストです。しかもできるだけソックリになるように。


今は少ないケースになってしまいましたが、過去にはプロのアレンジャーやエンジニアも仕事の上でコピーのような仕事をすることがありました。例えばカラオケの音源制作などです。オリジナル音源を作るよりも楽しく無い仕事ではありますが、これを真剣にやるととても勉強になります。なにせ世に出回っている楽曲の技術を解析するのですから。故にどうやったらこの曲に似せることが出来るのか?を必死に探ることになり、結果技術の引き出しが出来るというわけです。。


なので、アレンジが自分でできる人はアレンジの練習も兼ねて世に出ている曲のオケのコピートラックを作り、さらにそれをミックスまでするのがいいと思います(そうするとアレンジとミックス技術の一挙両得ですね)。とにかくできる限りオリジナルに近くなるように真似ます。そうすることで、このような曲はどうやったらこういうサウンドになるのか?を学べます。できるだけいろんなジャンルをとにかくいっぱいやって引き出しを増やしましょう。


次はトラック制作やアレンジはできない人のケースです。


フリーの練習素材を得て練習する


ではアレンジができない人がミックスを学びたい時はどうやったらいいでしょう?。そのためには練習素材をなんとか入手するしかありません。以前はマルチトラックの素材はプロ以外には入手方法が無く手に入らなかったかもしれませんが、今はいい時代です。品質の良い練習可能な素材トラックを公開してくれているメーカーやサイトが存在します。そこでフリーの練習素材を入手する方法をいくつか紹介します。




TELEFUNKEN ELEKTROAKUSTIK


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素材ダウンロード その1


その2


その3


マイクメーカーのテレフンケンが公開しているマルチトラック音源。基本的にライブ収録なので音の被りも多いため難易度は高いですが、演奏しているアーティストや収録クオリティーが高いのでいろんな勉強になりオススメです。


ちなみにテレフンケンというメーカーはいわゆるかつてのテレフンケンではありません。かつての伝説のマイクを復興するために新たに設立されたメーカーで、オリジナルのテレフンケンはドイツのメーカーですが、新しいテレフンケンはアメリカのメーカーです。


Cambridge Music Technology


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素材ダウンロード


なにせここには膨大な数の素材トラックとその完成2Mixが公開されていて、しかもジャンルが多岐に渡っていますので、できるだけいろんなジャンルに挑戦してみてください。違うジャンルのことが他のジャンルの楽曲に活きてくることというのはたくさんあります。


ここのファイルの一部には他社が公開しているマルチトラック音源と同じものもあったりしますので、それらと重複するかもしれません。(例えば先のテレフンケンの音源などがここにもあったりします)


Lewittミックスコンテスト


2019年(コンテストは終了してます)


2018年(コンテストは終了してます)


今回自分も参加してみたコンテストの音源です。今回のロックバンドサウンドのミックスコンテストの音源(2019年)と、その前の回(2018年の春だったようです)もあって、そちらはJazzボーカルものテイストでこれはこれで面白いですので是非両方とも練習してみてください。録音状況は2019、2018共に演奏者全員が同じ部屋での同時録音が基本なので(2018はボーカルのみダビングです)、各マイクに他の楽器の回り込みが多いですが、それはそれでとても勉強になる素材だと思います。おすすめです!


HOFA XMAS MIX CONTEST


コンテスト概要(コンテストは終了してるのでその結果発表のページも兼ねてます)


こちらはドイツのプラグインメーカーとしても知られているHOFAですが、HOFAもLewitt同様にミックスコンテスト(と併設してリアレンジコンテストも同時開催)の素材としてマルチトラック音源を公開しています。


毎年クリスマス時期に開催されるコンテストで、コンテスト自体はすでに終了していますが、ページコンテンツの最下部付近にあるダウンロードへのアクセスはまだ公開されているようですので(要メールアドレスの入力&送信)ダウンロードして練習してみてはいかがでしょうか?。最新回のコンテストは生のブラスセクションの入った音源ですので、プロ以外の人はなかなか経験できない非常に有用な素材だと思います。おすすめです!


実は最新回以外の過去の音源もちょっと探すと入手できるのですが、気になる方はネットで検索してみてくださいね。


DAWのデモソングデータ


例えば自分も使っているAvid ProToolsには、Avidが提供するデモソングのデータが1曲付属してます。ProTools バージョン11以降から現在の最新バージョンまではずっと同じ曲ですが、それ以前のバージョン10や9などはメジャーバージョンごとにそれぞれ違った曲でした。それらのライセンスを今でも持っている人はmy avidからダウンロードして入手できます。他のDAWはどうでしょうか?



まとめ


このようにフリーでもマルチトラック音源を入手できる方法があります。まずはこれらを入手してみてミックスの練習をしてみましょう。アレンジができる人も他の人の楽曲をミックスすると何か得るものがあると思いますので、こちらも合わせてチャレンジしてみてください。


次回はこれら素材を使ってミックスの練習をするときにどんな手順を踏んで作業するといいのかを解説したいと思います。お楽しみに!

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